とうとうこの日がやってきました。6月9日にワールドカップが開幕してから、ワールドチャンピオンの座を手にするための戦いが毎日繰り広げられてきました。今回の試合でそのチャンピオンが決定し、約1ヶ月ドイツ中を賑わせてきたお祭りも
フィナーレをむかえます。
ベルリンのスタジアムに向かう途中、フランスサポーターから日本語で話しかけられました。彼は東京の原宿で家具屋さんをやっているらしく、今回はフランスの決勝を見届けるためにドイツにやってきたそうです。「日本を応援するためにほら、これも持ってきてたんだよ。」と日本の国旗を広げてくれました。
フランスが勝つぞ!
電車の中では、にぎやかなドイツサポーターと遭遇。「あれ、君この前のドイツの試合を見に来てなかった?」と一人のサポーターに言われ、話をよくよく聞いてみるとなんと、前回ベルリンで開催されたドイツ対アルゼンチンの試合で私の後ろ側に座っていて、熱狂的な応援をしていた人だったのです!こんな再会もあるんですね!記念に、と「Pivi」を交換。
「さすが日本だ!こんなことができちゃうんだね。」とみんな感動しっぱなし。
日本ありがとう。みんな日本が大好きだよ!
これが前に会ったときの写真
スタジアムに着くと、イタリアとフランスのブルー以外のいろいろな色に染まっていました。
たくさんの国からのサポーターがこの試合のためにやってきていて、この1試合がまるで
ワールドカップ全体の縮図になっているようでした。
そしてみんな決勝戦というフィナーレを楽しむかのように、違う国同士のサポーターと写真を撮っていました。人との出会いを楽しむグループリーグのような空気が流れていたのが印象的でした。みんな世界一が決まる試合を、そしてワールドカップのフィナーレを堪能しようとしているようでしたよ。
イタリアのかわいいサポーター。お友達同士だそうで、2人ともお父さんと一緒に来ていました。
ビクトルとカルロス
試合の前やハーフタイムには特別にステージが用意され、歌手達によって歌が披露されるなど、みんなかなり盛り上がっていました。試合も決勝にふさわしく白熱したものに。
「絶対にワールドカップを手にする!」といった選手たちの気迫が広いスタジアムいっぱいに伝わっていました。
1-1でむかえた延長戦。ジダンがレッドカードにより退場してからは、観客席の雰囲気も選手たちの雰囲気もより一層熱気を帯びてきました。
観客の多くがジダンの姿を最後まで見たかったのでしょう。
レッドカードを出した審判に容赦のないブーイングが
浴びせられ、またそれ以降イタリアがボールを持つたびに
スタジアム中からブーイングが聞こえてきて、
雰囲気はフランス有利かの様に思われました。
延長戦でも決着はつかず、試合はPK戦へ。これで世界の頂点が決まるんだ、という気持ちから私は食い入るようにボールの動きを見つめていました。あんなにも緊張するPKは今までなかったんじゃないかと思います。結果フランスが1人はずし、4-3で
イタリアの勝利!最後の1人をイタリアが決めた瞬間、イタリアサポーターからは張り裂けんばかりの歓声が聞こえてきました。
一方のフランスサポーターはがっくりとうなだれていたものの、「お疲れ様!」というように選手へ惜しみない拍手が送られていました。
歓喜あふれるイタリアサポーター
表彰式。イタリア選手たちが念願のワールドカップを手にし、ピッチを歩きながら勝利をサポーター達と分かち合っていました。大量の紙ふぶきと幻想的な花火が打ち上げられるのをみて「あー、これでワールドカップも終わっちゃうんだなぁ。」という気持ちになりました。しかし、「実感」は出来ていないのが正直なところです。この1ヶ月もの長い間、試合を見て、たくさんの人と出会って…という毎日だったので明日もまたドイツのどこかに行って、サポーターと出会って写真を撮って、という気がしてなりません。
この1ヶ月間、写真を通じて本当に多くの人と出会ってきました。そしてワールドカップという世界規模のお祭りを体験してきました。この1ヶ月はサッカーという共通項があることでどんな人とも話しが盛り上がったし、仲良くなることができました。そして、また
みんなが多くの国からやってくるサポーターと会えるの楽しんでいました。
このワールドカップはサッカーの
世界一を決める試合ではあった
けれど、ただそれだけではなく、
世界中の人をつなげる場でもあった
んです。今回のワールドカップの
会場のあちらこちらやボランティア
スタッフのユニフォームには
「A TIME TO MAKE FRIENDS」
(友達を作る時だよ)という言葉が
書かれていましたが、その言葉が
今大会のすべてを表していたのでは
ないでしょうか。
そして、その出会いを作るきっかけとなったのが
写真でした。今回のワールドカップで、私は写真を撮ることで本当にたくさんの人と友達になることができました。
「一緒に写真を撮ってもらえますか?」という言葉に対して、だめだ、と言った人は本当に1人もいませんでした。カメラを向けるだけで、みんな自然と笑顔で答えてくれるんです。
写真を撮ることというは一瞬一瞬を思い出として残すことだけでなく、
思い出作りのきっかけにもなってくれるんだ、ということをこの1ヶ月を通じて感じました。
この記事をもって、私の旅も終わりを迎えます。このブログを通じて、私なりに感じたことやドイツにいないとわからないワールドカップの雰囲気を書いてきましたが、少しでもワールドカップの盛り上がりや多くの人との出会いの様子が伝わっていれば幸いです。このブログを読んでくださった全ての方、そしてこの旅に関わってくださった方に心から
感謝をしたいと思います。
ありがとうございました!!