ワールドカップのクライマックスである決勝戦を目前に控え、3位決定戦が行われました。ドイツ対ポルトガルの試合。「決勝までいくのではないか?」と期待されながらも、イタリアに負けてしまったドイツがどのようにこの3位決定戦を迎えるのか。そしてドイツサポーターはどのようにこの3位決定戦を見ているのかが気になっていました。
シュトゥットガルト中央駅からスタジアムに向かう電車の中では、やはりほとんどがドイツサポーターではありました。ポルトガルサポーターはちょっと見かけるくらい。むしろ、ドイツサポーターがポルトガル応援の格好をしていたり…。
こちらは電車の中であった、ドイツサポーター。ポルトガルとドイツの旗を両方を身に着けていたので「どっちの応援なの?」と聞いてみたところ「もちろんこっち!」とドイツの旗を指差していました。
とてもステキな4週間(ワールドカップの期間)だったよ!
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決勝トーナメントに入ってからというものの、負けてしまえばそこで終わりということから、選手にもサポーターにも緊張感のある雰囲気が漂っていました。しかしこの3位決定戦にはそのような雰囲気はなく、むしろグループリーグのような「応援を楽しもう!」、「ワールドカップでのドイツ代表の最後の試合を見たい!」というような空気が流れていた気がします。
「決勝でベルリンに行くぞ!」と言っていた応援も「Stuttgart ist viel schoner als Berlin!」(シュトュットガルトはベルリンより綺麗だ!)と思わず笑いを誘うような応援に変わっていたり…。決勝には行けなかったけれど、よくここまでこれたよ。というような気持ちなのでしょうか。
私が日本のジャージーを着ているのを見て「写真を一緒に撮ってくれる?」とやってきた2人。もちろん私も写真を撮って「Pivi」の交換をしました!ドイツ北部にあるハノーバーからこの試合を見にやってきたそうです。ドイツに来たばかりの時は「日本に関係の無い試合でジャージー着るのはどうなんだろう?」と思っていたのですが、このようにジャージーを着ていることでいろんな国の人から声をかけてもらうことが何回もありました。
「私も日本を代表しているんだ。」実感する瞬間でもあります。
日本、ありがとう!マーティンとデイビッド
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彼らと「Pivi」の交換をしているのを不思議そうに見ていた人がいたので、声をかけてみました。
「どこから来たのですか?」と聞くとなんと「イラクからだよ。」と。イラクからワールドカップを見に来ている人がいるのがとても驚きでした。「今回のワールドカップにはイラクは出られなかったけれどね。」と。次のワールドカップにはイラク代表の試合を見れるといいですね!
イラクのジャマル。
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ポルトガルサポーターとも写真を撮りました!ポルトガルの応援は今回が2回目だそうです。「前はポルトガル対イランの試合を見たんだ!」と言っていました。どうやらお仕事の仲間同士で来ているそうです。「週末を利用してきたんだ。試合が終わったらそのまま帰るよ。月曜日からまた仕事だからね。」日本の試合も見ていたそうで、日本がグループリーグで敗退してしまったことを残念がっていました。
2010年のワールドカップではポルトガルと日本が対戦できたらいいね。
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さて、今回の試合は日本でも注目された試合だったのではないでしょうか。日本人審判が主審を務めるということで、選手のみならず審判の動きも気にしながら試合を見ていました。形は違えど、日本の代表として決勝リーグのピッチに立っている姿を見るのは同じ日本人として誇りに思います。
前半はあまりぱっとしない試合展開が続き、観客からはウェーブが起こりっぱなしでした。「つまらないよ!」とう意思表示だけでなく、この会場の雰囲気を一緒に楽しみたいという気持ちもきっとあったのでしょうけれどね。後半に入ってからは、ドイツが3点(うち1点はポルトガルによるオウンゴール)を決め、ポルトガルが1点を追うもののそのまま試合終了。3-1でドイツが3位となりました!
試合終了後はそのまま3位の表彰式が行われました。地元ドイツが3位で表彰、ということもあって会場は大盛り上がり。まるで3位の表彰というよりかは「ドイツ代表おつかれさま!」といったような雰囲気でした。
会場の照明が暗く落とされた瞬間、打ち上げ花火が上がり観客のテンションもあがりっぱなし!選手たちがピッチの周りを大きく1周しながら挨拶をして、ピッチを去った後もそのお祭りの余韻にみんな浸っていたい、という感じでした。
ニュースで見かけた話題ですが、ワールドカップの3位決定戦を廃止すべきかどうかという議論がなされているそうです。しかし、今回に限っては、3位決定戦をやってよかったのではないかと思います。優勝争いはできなかったけれども、ワールドカップ開催国のチームが表彰されて、そしてスタジアムのほぼすべてを埋め尽くす自分達のサポーターに「お疲れ様!」「いい試合をありがとう!」と声をかけられながら挨拶して回る、というような盛り上がりはめったに実現できるものではありません。
会場の雰囲気としてはとても良いものだったと感じました。
さて、早いもので明日でワールドカップも決勝戦、つまりエンディングを迎えます。3位決定戦でこの盛り上がりだったんですからね。決勝はいったいどうなるのか。とても楽しみです!